『吉澤ひとみ容疑者逮捕』
1週間前,スマホを開けたらそんなニュースが目に飛び込んできました。
逮捕容疑は飲酒ひき逃げ
またか。今まで築き上げてきた地位や名誉がこれで全部なくなり,自分だけでなくその家族も普通の生活が厳しくなります。有名人だから余計にです。旦那さん,子供はもちろん,田舎の両親も周りから冷たい憐れな目で見られてしましまい,自慢の妻,娘が一気にどん底まで落ちてしまいます。
吉澤ひとみさんもそんなことは分かっていたはずです。現在はどこの社会でもコンプライアンスはうるさいはずですし,一部の組織が運営する芸能界を除き,そういった教育も受けていたはずです。それなのになぜこのような飲酒ひき逃げという悪質な事件を犯してしまったのか。
コップ半分の酒を飲めば倒れてしまうアルコール弱者マツモトマコトです。
今回は,今の時代なぜ人は飲酒運転を犯してしまうのかをその原因や私なりの考えを記載していきたいと思います。

飲酒運転とは??
飲酒運転とはアルコールを飲酒し,その影響がある状態で自動車や自転車などの車両を運転することです。
飲酒運転には酒酔い運転と酒気帯び運転との2種類があり,それぞれの違いや罰則は
酒酔い運転
簡単に言えば酩酊,泥酔状態で車両を運転することです。
飲酒運転で検挙されたら,真っ直ぐ歩けるか検査を受けたり,その場で住所や氏名,どこで飲んだなどの質問を警察官からされるのも警察官が客観的に見てそれを見極める為です。
酔い方は体質や体調なども影響するのでジョッキ5杯で酒酔いになる人,ならない人は変わってきます。
罰則 | 違反点数 | |
酒酔い運転 | 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金 | 35点 |
となっており,前科がつくうえ,もちろん一発免許取り消しになります。
酒気帯び運転
一方の酒気帯び運転については,血液や呼気に含まれるアルコール濃度によって該当するかどうかが判断されます。酒酔い運転とは違い,明確な数字の基準があります。
状態 | 罰則 | 違反点数 | |
酒気帯び運転 | 0,15から0,25mg未満 | 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 | 13点 |
0,25mg以上 | 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 | 25点 |
となっています。
0,25mg以上は酒酔い運転と同じく一発で免許取り消しになります。
なぜ飲酒運転は無くならないのか
飲酒運転は,自分はともかく人を巻き込み死に陥れる可能性があります。上記に記載したように飲酒運転は他の交通違反と比べると非常に厳しい刑罰になっています。
今まで苦労して築き上げてきた地位,名誉をなぜ簡単に捨てるようなことをするのか,私が警察時代に飲酒運転をした被疑者やその家族から聞いたことを参考に記載していきたいと思います。
飲酒運転を犯す者には2種類のパターンがあります。
故意
1つ目は同情の余地もない故意です。故意にも色々あるのですが1番多いパターンは,現場仕事で仕事終了後,コンビニで冷たいビールや缶酎ハイを一杯飲んでそのまま車で会社や家に帰るパターンです。もっと言うなら飲みながら帰ってる輩もいます。
罰則が厳しくなってから減りはしましたが今だにそこらへんにいます。
明らかに故意ですね。こういうのを検挙してもいちいちニュースにならないのでもっとこの実態をニュースにして欲しいですね。こんな輩達には一生免許証を与えてはいけませんね。
覚えてない
2つ目は,酔って気が大きくなり,運転するパターンです。同情はできませんが誰もがやってしまうパターンです。
絶対酒を飲んで車には乗らない。
飲んで運転する奴は考えられない。
いつも代行頼んでるし。
って普段から言ってる人達です。
私が刑事になる前,パトカーに乗っていた頃,数多くの飲酒運転を検挙しましたが普通のサラリーマン,自営業者,公務員など普段はまともな人も多数しました。
そんな人達は,留置場で一夜明け酔いが冷めたら自分の置かれてる状況に気づき,みんながみんな頭を抱えて座り込んで悲惨な表情をしています。もちろん同情はできませんが見ているこちらも暗くなってしまう程です。
代行呼べる状態の人はまだ正気がある人か周りがきちんと見てくれる人です。でもそれ以上に酔っていたり周りがそんな人じゃなかったらどうですかね?
酔ったら気持ちよくなったり,普段言えないことを言えたりします。それは普段より気持ちが大きくなっており,場合によっては理性が落ちているからです。
取り調べの際もそういう人達は
何で自分が飲酒運転なんかしてしまったかは分からない
夢や嘘であって欲しい
とみんながみんな口を揃えたように言います。家族も
うちの夫がそんなはずはない。
普段はお酒を飲んでも心地よくなってすぐに寝る
など考えられないようなことを言います。
吉澤ひとみさんのプライベートや性格はテレビやネットで見た限りのことしか知らないですが弟さんを交通事故で亡くしてるみたいでしたので交通事故に関しては人一倍関心があったのではないかなぁと思いますが。私が取り調べをしたわけでもないですし,話したことももちろんありませんので事情は分からないですが2つ目のパターンだと思います。
仕事に遅れそうになってタクシー呼ぶ時間もなく『少し休憩したし大丈夫だろう』と思い運転したのでしょうがこの『大丈夫だろう』がお酒の力が作用してるんでしょうね。
ただ,呼気1リットルあたり0,58mgも出て缶酎ハイ3本は99%嘘だと思いますが。←この嘘は酒に関係なく人間性の問題,若しくは弁護士の先生方々の入れ知恵か。ひき逃げに関しても言い訳のしようががない悪質極まりない行為ですが。ひかれた人が軽傷というのは本当に不幸中の幸いでした。
2パターンの説明をしましたが,本当に怖いのは『覚えてない,知らずに』のパターンですね。これは防ぐのは非常に難しく社会に『車とお酒』がある限りゼロにするのは至難の技だと思います。

飲酒運転をなくすには
『酒を飲んだら運転しない』こんなことは当たり前で平常心の時はみんな分かってることです。
車を置いて帰る。
そもそも飲みに行く時は車で行かない。
代行呼ぶ。
などいろいろありますが,酒を飲めば
車を置いて帰る→『まぁちょっとくらいバレないだろう』
そもそも飲みに行く時は車で行かない→電車かタクシーで帰るしかないので帰りますが家に帰ってタバコがないや小腹が空いたと思い車を運転してします
代行呼ぶ→『あまり酔ってないし,大丈夫』
などと普段から気をつけている人も犯してしまいます。それが飲酒運転です。
では,どうやってするのか?
ネットなどでもよく言われていますが物理的に運転できないようにするしかないです。
人の力,警察の取締りだけではある程度減らすことはできますが限界があります。かと言って酒を禁止にするのも難しいです。
既に自動車メーカーや他のメーカーも開発を進めていますが酒を感知したら運転できないシステムを作っていくしかないです。もちろん自動車メーカーも営利団体ですのでそこに莫大な投資は厳しいかもしれませんので国が協力してやっていくしかないです。そういうところに税金を投入するのは誰も文句言いませんし,大賛成です。
流石は日本が誇る大企業,ホンダや日産などの大手メーカーは実用性に向けてもう一歩のところで,早く標準装備になり,車検の検査基準にも入るところまできてほしいですね。期待しています。
これでも機械の不正操作や改造でゼロにはならないと思いますが少なくても『覚えてない,知らずに』という普段は普通の人が飲酒運転を犯してしまうリスクはかなり軽減されると思います。普段から故意の飲酒運転する輩は不正改造とかをしてそれでも飲酒運転をするのでしょうが。
近い将来はこのようなシステムが構築されるでしょうが今はまだ無いです。
よく警察の頃,周りがしていたのは携帯の待受画面に家族全員の写真にしている人が結構いました。酒好きの警察官が我も忘れて事件を起こしてしまうといったニュースは見飽きるくらい見ました。自分がこうならない為にも,飲みすぎない為にも頻繁に見る携帯画面をそうすることで自分自身の理性を保つようにしていた人も多かったです。
そういった意識は別の方法でもすることで,悲惨な飲酒運転を防げる可能性はありますし,大切ですね。
簡単で大した方法では無いですが『私は飲酒運転は絶対しない』と決めている人も1度やって見てはいかがですか?
まとめ
飲酒運転は,自分の人生や家族の人生,事故を起こしてしまえば被害者の人生,全てが失われます。私は1滴も酒を飲めない下戸ですがニュースを見たりすると非常に不安になったりすることがあります。
普段は,『絶対にしない』であろう人,このような方も一夜にして飲酒運転で事故,検挙,という絶望に陥る可能性があります。もちろんそれを知ってて犯したことは,いくら覚えてなくて,酒の力がそうさせても関係なく悪いことは悪いです。
今は,アルコールを検知したら動かない車などは販売されていません。今できることは酒を飲んでも理性を保つ強い気持ち,ホロ酔いでストップできる強い意志です。
また,そうさせない社会の構築です。
悲惨な事故を招く飲酒運転を現時点でゼロにすることは不可能ですがいつも心の中に自分の大切な家族を浮かべることで不幸を少なくできます。
今後,飲酒運転がなくなることを願います。
常々思っていることですが、どうして飲酒運転による死傷事故を起こしたら即刻免許取り消しと無期限の免許欠格期間という仕事も家庭も崩壊しかねないほど厳しい処分が下せないのでしょうか?
なので、日本人はまだまだ酒に対する考えが甘い文化だと思いますので、つい飲んでしまってハンドルを握ってしまうんでしょう。 私は、事故を起こさずとも酒気帯び運転で即刻免停、飲酒運転で即刻免許取り消し処分を課すべきだと思います。 このぐらいまで罰則を強化しないと、今後も飲酒運転事故は減ることは無いでしょう。
飲酒運転で摘発されるのは一般サラリーマンだけに留まらず、公務員、消防署員、果ては取り締まる側の警察官までもが処分されていますが、悲惨な事故があっても年月が過ぎればその記憶は風化されて酒に対する認識も甘くなるんじゃないでしょうかね。
「酒を飲んで運転したら仕事がなくなり家庭もが崩壊するかも知れない」という危険認識が高まらないとこれからも悲惨な交通事故は続くでしょう。