葛飾区と足立区で自転車の【鍵掛け義務化】

盗む輩が一番悪い。でも盗む奴を取り締まることはできても教育は難しい。だから善人に対して規制し,対策するしかない。難しい時代ですね。

どうもマツモトマコトです。

今,東京で自転車の施錠義務化(条例)が進んでいるみたいです。非常に良いことだと思います。盗む犯罪者が一番悪いのは当然ですが国などの行政が本腰を上げて対策してくれることは非常に良いことです。

自転車盗は先日記載した記事にあるように街頭犯罪7罪種に含まれており,平成29年の街頭犯罪認知件数は321,297件でその内,自転車盗だけでも205,381件と街頭犯罪全体の約64%を占めています。

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2018.08.29

自転車盗が減れば街頭犯罪はもちろん減りますが,犯罪者の多くは盗んだ乗り物で犯罪を犯しますので非常に有効です。

そこで今回はこの条例がどんな条例なのか記載していきたいと思います。

自転車施錠義務化ってどんな条例?

足立区HP参照

足立区を例に上げる足立区自転車等の駐車秩序及び自転車等駐車場の整備に関する条例第7条に追加されたようです。どのような条例かと言いますと

7条   自転車の利用者は、その利用する自転車に住所・氏名を明記し、及び防犯登録を受けるよう努めなければならない。2項 自転車の利用者は、その利用する自転車の盗難を防止するため、施錠その他の適切な措置を講じなければならない。
3項   自転車等の利用者は、道路、公園、駅及び百貨店等公衆の通行の用に供する場所又は集まる場所(以下「公共の場所等」という。)において、公衆の迷惑となるような方法で自転車等を放置してはならない
という条文になっています。
枠内の赤字部分に記載してあるとおりですね。
駐輪するときは盗まれないように鍵をするかその他盗まれないようにしなさいよって明記されてるだけですね。
ちなみにこの7条に自転車に住所・氏名を明記し,及び防犯登録を受けるよう努めなければならないって書いていますが自転車に住所氏名などを書いたら今の時代あまりよろしくないので書かない方が良いです。防犯登録にその情報は入っていますから。

違反すれば捕まるの??

結論→捕まりません。

罰則規定はありませんので単なる義務です。単なる義務って言っても義務なので守らなければなりません。

そもそも根本的に盗む奴が悪いのに被害届を出しに交番へ行って『鍵してませんでした』と言って『じゃあ逮捕』って言われたら意味が分からないですよね。

このような努力義務的な条例や法律には基本的罰則はないです。

葛飾区に関しても罰則は記載されていなかったです。

自転車の鍵を徹底すれば他の犯罪も減る

自転車なんか鍵掛けてても盗まれるやろ

と思っている方も多いと思われますが4割正解です。
確かに自転車の鍵って鍵の種類にもよりますが壊すのに1分も掛かりませんので盗もうと思えば簡単に盗めます。でも自転車盗の手口の約60%は無施錠です。
というのは犯罪者は出来るだけ手間を掛けず自然とした状況で悪い事をしたい心理があります。駐輪場や駅前の路上での多数の自転車があればわざわざ施錠している自転車を盗むより,自分の自転車を探すふりして無施錠の自転車を盗む方がリスクが少ないからです。ロードバイクやマウンテンバイクのような高価な自転車は別ですが。

何故自転車盗が減ると他の犯罪が減るのか

悪い奴は出来るだけ証拠を残さず,足がつきにくくします。
犯罪者は手袋をしたり顔を隠します。
それと同じで自分が持ってる物を使って犯罪を犯すと特徴を覚えられたり,もし失敗して逃走中に自転車を捨てて逃げないといけない状況になったら自分の自転車だと車体番号や防犯登録,指紋などでバレてしまいますので他人の自転車やバイクを使いますので必然的に他の犯罪も減るのです。
私が制服のお巡りさんのとき,よく自転車泥棒を捕まえました。
皆さんが嫌な思いしてる自転車の職務質問でです。『自転車の防犯登録調べさせてもらっていいですか?』のやつです。
自転車泥棒の中には所持品によく他人の物がカバンに入ってたり,ナイフを持ってたことがちょくちょくありました。
皆んなが皆んなではありませんがやっぱり悪いことをする奴は,他の悪いことも考えているのです。

割れ窓理論

割れ窓理論とはアメリカの犯罪学者ジョージ・ケリングが考案した軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで,凶悪犯罪を含めた犯罪を抑止できるという理論です。

日本の例を挙げると

2001年に北海道警札幌中央署が割れ窓理論を採用し割れ窓を違反駐車に置き換えて,すすきの環境浄化総合対策として犯罪対策を行った。具体的には北海道内最大の歓楽街のすすきので駐車違反を徹底的に取り締まる事で路上駐車が対策前に比べて3分の1以下に減少,併せて地域ボランティアとの協力による街頭パトロールなどの強化により2年間で犯罪を15%減少させることができた。これを受けて各地の警察署からヒアリングなどが活発化している。

とあり,またニューヨークでは

警察職員を5,000人増員して街頭パトロールを強化した他、

  • 落書き,未成年者の喫煙,無賃乗車,万引き,花火、爆竹,騒音、違法駐車など軽犯罪の徹底的な取り締まり
  • ジェイウォーク(歩行者の交通違反)やタクシーの交通違反、飲酒運転の厳罰化
  • 路上屋台、ポルノショップの締め出し
  • ホームレスを路上から排除し、保護施設に強制収容して労働を強制する

などの施策を行った。

そして就任から5年間で犯罪の認知件数は殺人が67.5%,強盗が54.2%,婦女暴行が27.4%減少し,治安が回復した。また,中心街も活気を取り戻し,住民や観光客が戻ってきた。

というような実例があります。

アメリカのような恐ろしく治安の悪い地域でも改善された例があるので今回の自転車の施錠義務化も意識を持ってしっかり実行すればこの割れ窓理論のように小さい犯罪から大きい犯罪まで減少させることが出来ると思います。

まとめ

今回は東京の足立区と葛飾区で施行された自転車の施錠の義務化について記載しました。

中には『しょうもなくもっと考えることがあるやろ』と思ってる方もいると思いますが私個人的は,すごく良い条例だと感じました。

今回は

・自転車盗からの二次犯罪

・割れ窓理論

についてを中心に書きましたが何て言ったって大切なアッシーの自転車を盗まれたら腹たちますし,中には亡くなった家族や友人の形見って人もいます。許せないですよね。

街頭犯罪で1番多い犯罪は自転車盗です。これを減らせば他の犯罪も必ず減り,犯罪で悲しむ人が必ず減ります。

日本人って私を含め,最初だけっ話大になって頑張ってすぐ冷めるってことが多いですが,是非この足立区と葛飾区の条例をもっと広めて全国に広まって欲しいですね。

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